ランタンルージュですが、何か？

あれ？英国靴しか履かないんじゃなかったの？



なんて冷たいことは言わないでください。正直、自分でも
ビックリしています。自分がジャランを買うことになるとは。



英国製が好きなだけでイタリア製も日本製も持ってます。
決してメイド・イン・イングランド以外は認めない！という
訳ではありませんので悪しからず（笑）



さて、本題。



ジャラン・スリワヤが日本に入ってきて何年経つでしょう。
初めてジャランを目にしたのは12年くらい前だったか。
浮き沈みの激しいこの業界で長いことブランドを維持
していると思います。しかし私にとっては食指の動く
アイテムは全く無く、「欲しい」と思った事はただの一度も
ありませんでした。



価格帯で言えば3万円ちょっと。他を探せばロイドだって
あるし、探せばサージェントだってある。無理にジャランを
選ぶ必要はありません。それにぽってりとした見た目が
どうも気に入らず、手に取る事さえなかったのです。



それがどうでしょう、まさかの購入です。



ノーリーズ別注ジャラン・スリワヤ プレーントゥ

2アイレットの超絶シンプルなモデルです。



一目見て、「お？」と思いました。良さそうだ、と。しかし
よく見ればあまり好きではないジャランの品。しばらく
悩みましたが試着してみることに。



ジャランの靴はぽってりしたイメージが強くて、ユルユル
なのでは？と勝手に思い込んでいましたが、以外にも
キュッと締まって良い意味で予想を裏切られました。
サイズは8か8.5で悩みました。8.25があったらそれが
ベストだったでしょう。店員さんの押しもあって8を選び
ました。幅がフィットし過ぎるぐらいなので、履いていって
馴染ませないといけません。



この店員さんはジャランの革の質、造りは5、6万の靴にも
負けないクオリティだと豪語していましたが、私からすれば
やはり3万円のクオリティと思います。革質が良い、という
話もありますが、私が見たら「？」という感じ。悪い訳では
ないですが、フツーです。作りもフツー。それなりと言った
印象です。無論3万円の靴としては及第点と思いますが。



「いやいや、ジャランは九部仕立てだし」



とおっしゃる方もいるかも知れません。その実力は履いて
いって検証することにします。少なくとも見た目には反映
されていないように思います。



それよりもこのモデルは形でしょう。ダイナイトソールで
ゴツイのに少々ロングノーズ気味で上品な2アイレット。
このゴツさと上品さのバランスが良いんだと思います。
でなければ買っていなかったはず。基本的にベーシック
なものを好む私ですから、この選択は自分でもビックリ
といったところです。




さて、それでは細部を見て行きましょう。



全体

シンプルな2アイレット。ソールはダイナイト。



ノーズ

ややロングノーズ。基本的にロングノーズは好きでは
ありませんが、控えめなので可。



インソール踵側

ノーリーズ別注です。当然インドネシア製。



インソールつま先側

もちろんレザー製。



内側の表記

モデル番号（？）、ラスト、サイズの順。



コバ

縫い目の大きなステッチ。やはり縫い目は細かいのが
好きです。



箱

ネームも何も入っていないシンプルな箱です。ネームくらい
入れても良かったのでは？別注だからかな？



細かく見て行くと、英国と言うよりもスペイン、ポルトガル
の靴に近いような気がします。その昔、マック・ジェームス、
J.マックギルなんて靴がトレーディングポストに置いてあり
ましたが、ちょうどそんなイメージ。



褒めてんだか貶してんだか分からなくなってきましたが、
気に入ったから購入したワケで、値段も値段だから何も
気にせずガンガン履いていこうと思っています。



それにしてもジャランといいシップスのマスタークラフテッド
といい、3万円台の非イングランド系の革靴が頑張っている
ように思います。良い事なのかもしれませんが、英国製に
拘りたいという気持ちも強く、複雑です（苦笑）